英ポンド/円相場は、127~130円水準を中心に揉み合う展開になっている。特に決め手となる材料が見当たらない中、方向性に欠ける展開になっている。ユーロ/円相場が膠着気味の展開になっていることに加え、11月7~8日にイングランド銀行(BOE、英中央銀行)金融政策決定会合(MPC)を控えているため、敢えて積極的に仕掛けるような動きは見られない。
MPCであるが、今会合では新たな政策対応が導入される可能性は低下している。10月25日に発表された7~9月期国内総生産(GDP)が前期比+1.0%と4~6月期の-0.4%から大幅に改善したことで、追加緩和を急ぐ状況ではなくなっている。あくまでもオリンピック効果による一時的な景気浮揚に過ぎないとの見方も強いが、10~12月期の景気減速状況を確認してからでも遅くは無いとの判断に傾いている可能性が高い。ビーンBOE副総裁が、量的緩和に伴う金利低下による需要刺激効果を疑問視する発言を行っていることもあり、まずはこれまでの緩和政策の効果や、世界経済の動向を見極めるステージになる可能性が高い。
一方、ユーロに関してはスペインとギリシャ情勢を巡って先行き不透明感が強く、身動きが取れない状況が続いている。ギリシャ議会は財政緊縮法案を可決し、国際支援確保に向けてのハードルを一つ乗り越えた形になっている。欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)から315億ユーロの融資を受ける条件整備が進んでいる。ただ、ギリシャ国内では早くも大規模なデモが展開され、欧州委員会がギリシャの債務比率が従来予想を上回る可能性を指摘するなど、先行き不透明感の強さは否めない。スペインに関しても、首相が外部からの救済要請に消極的なことが警戒されており、国債利回りの上昇に歯止めが掛かっていない。こうした状況を考慮すると、ポンドは底固いものの上昇余地は限定される見通し。
今後1週間の予想レンジは、127.00~130.00円。